輸出入・貿易に不可欠なパレット サイズ・種類や燻蒸処理について

パレットアイキャッチ

昨日、アメリカからの輸入貨物が大量に届きました。

貨物が到着するたびに結構処理に困るのがパレットです。

僕の会社ではフォークリフトがないので、パレットが付属した状態で貨物が届いてもゴミにしかなりません。

お付き合いのあるフォワーダーさんには、極力貨物をパレットからバラして輸出してもらえるようお願いしています。

しかし、貨物の物量が多かったり、貨物の形状によってはパレットに載せたままでないと輸出が難しいケースもあります。

そのため、毎回何枚かはパレットが到着します。

今回は貿易において貨物の運搬によく利用されているパレットについて、その種類や国ごとのサイズの違い、また、木製パレットの燻蒸処理などについてご紹介していきたいと思います。

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パレット(Pallet)とは?

パレット挿入1

パレットとは、貨物の物流に用いられる、貨物を載せるための荷役台です。

工場、倉庫といった各施設からトラック、コンテナ、航空機、鉄道などの各輸送手段の間を効率的に貨物を移動させるために用いられています。

通常、パレットには脚と脚の間にスペースが作られており、フォークリフトで効率的に運搬できるようになっています。

パレットのサイズ

日本のパレットサイズ

日本ではJIS規格として、T11型と呼ばれるパレットサイズが広く流通しています。

そのサイズは、1100×1100(mm)となっており、通称「イチイチ」とも呼ばれています。

海外各国のパレットサイズ

アメリカ:1219×1016(mm)(48×40インチ)

ヨーロッパ:1200×800 または 1200×1000(mm)

オーストラリア:1165×1165(mm)

パレットの種類(材質)

パレット挿入2

木製パレット

コストが安く済むことから最も一般的に流通しているタイプのパレットになります。

パレットの一部が破損した場合でも、補修して利用できることが木製パレットの大きな特徴です。

ただ、パレットの木材内部に害虫が入り込んだまま国境を越えてしまうという問題があり、国によっては木材の種類を限定したり、燻蒸と呼ばれる殺菌処理を施していないと輸入を認めないといった処置を取っているところもあります。

木製パレットには湿気に弱いというデメリットもあります。

プラスチックパレット

別名合成樹脂パレット。

木製パレットよりも強度が高いのが特徴です。

ただ、木製パレットとは違い、破損した場合には補修がきかないというデメリットがあります。

その一方で木製パレットのように燻蒸する必要がないため、近年ではプラスチックパレットが徐々に増えてきています。

段ボールパレット

クラフト紙で組み立てられたパレットで、コストが安く抑えられ、軽量であるために輸送コストが安くなるメリットがあります。

しかしながら、強度が低いため繰り返し使用することができません。

金属製パレット

強度・耐荷重量に優れた、鉄やアルミニウムを使ったパレットです。

しかし重量が重いこと、コストが非常に高くつくことから特殊な用途での利用に限定されています。

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木製パレットの燻蒸処理について

現在多くの国々では、輸入される貨物に使用される木製のパレットをはじめ、厚さ6ミリ以上の木材を使った、木箱や木枠を含めた木製梱包材に対して、木材に付着した害虫による病害を防ぐために、輸出国側で殺菌消毒処理を施すことを求めています。

この処理を燻蒸(くんじょう)処理と呼んでいます。

処理方法としては、熱処理による方法と臭化メチルを使用した薬剤処理の方法があります。

燻蒸処理を施した木製梱包材には、処理済みであることを示すスタンプが押されます。

日本に輸入される貨物に木製梱包材が使用されていた場合には、燻蒸処理が施され、処理済みスタンプが押されていることが大前提となります。

万が一処理が施されていなかった場合には、植物防疫所に輸入検査申請を行い、検査を行います。

検査の結果、害虫の付着がなければ輸入許可となりますが、害虫が付着していた場合には消毒または廃棄等の措置を取らなければいけません。

まとめ

僕の会社と取引している海外の取引先では、ほとんどの会社で木製パレットに載せて貨物を出荷してきます。

プラスチックパレットで出荷してくるところは、インボイスにパレット代として50ドル請求してきます。

現在も貨物を運ぶパレットの主役である木製パレットですが、適切な処理が施されていなかった場合には輸入通関時に思わぬ時間を取られてしまう事態になりかねません。

取引先にはきちんと処理するよう伝えてから出荷してもらうようにしましょう。

 

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