普段日本で生活していると、新聞やテレビなどで取り上げられる、世界に関する国際的なニュースでは、主に日本が関わっている話題ばかりが取り扱われることが多いと思います。
そのため、多くの日本人がまだまだ本当に気が付いていないのが、お隣の国、中国の世界経済における影響力の強さだと思います。
今回は、中国が世界経済に与える大きな影響に関して、南半球の国オーストラリアと中国との関係性を取り上げてみたいと思います。
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中国マネーがオーストラリアに流れ込んでいる
近年、中国とオーストラリアは密接な間柄になっています。
近年、中国の投資家から裕福になった個人に至るまで、オーストラリアでの不動産投資が非常に活発になっています。
そのため、オーストラリアのシドニーでは、住宅価格が激しく上昇しており、新築や中古住宅の価格のみではなく、賃料の上昇も激しくなっており、オーストラリアの中間層の生活はかなりの打撃を受けているのが現状です。
また、オーストラリアは鉄鉱石・天然ガスなどの天然資源が豊富な資源国であり、その資源の輸出先の約25%が中国となっていおり、オーストラリアにとって、中国は大事なお客さんなのです。
さらにオーストラリアでは、資源の輸出以外の外貨獲得手段として、海外からの留学生受け入れを盛んに行っています。
オーストラリア政府の資料によると、2015年の大学・大学院生約141万人のうち約36万人が留学生となり、そのうち中国出身者が約12万人で国別で一番多い数を誇ります。
このように、オーストラリアでは中国の経済的な影響力が非常に大きくなっています。
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アメリカのアルミ・鉄鋼輸入制限で漁夫の利を得るオーストラリア産ワイン
先日、アメリカのトランプ大統領がアルミニウムと鉄鋼の輸入制限を行うと発表しました。
これに対抗して、中国ではアメリカ製品に対する関税の引き上げを行いました。
その中の製品の一つに、アメリカ産ワインが含まれています。
ほぼ時を同じくして、オーストラリア産ワインの対中国輸出が前年比で51%増え、過去最高となったことが発表されました。
中国とオーストラリアでは、2015年に自由貿易協定(FTA)が締結されており、関税は2019年1月に撤廃される予定となっているため、今後、アメリカ産ワインに取って代わり、さらなるオーストラリア産ワインの輸出拡大が期待されています。
まとめ
現在オーストラリアにとって中国は、資源輸出を筆頭にオーストラリアの一番のお得意先になっているため、中国の景気が良くなれば必然的にオーストラリアの輸出による利益が増加し、逆に中国の景気が悪くなれば、オーストラリアにとっても大きな痛手となる状況となっています。
このように、中国の動向一つで他国の経済状況が一変してしまうほど中国の経済に対する影響力は大きくなっています。
今後の世界経済、世界の貿易環境は、今まで以上に、中国の動向抜きでは語れない存在になっていくでしょう。
たまに大きな貨物船が座礁したり、何か海難事故があったりすると、テレビのニュースなどで「パナマ船籍」という言葉を耳にすることはないでしょうか?人間には国籍があるように、船には船の国籍である「船籍」というものがあります。[…]