貿易取引に関わっていると、必ず出てくるのがインボイス(Invoice)です。
通関のときにも必ず必要になってくる重要書類ですが、実は一言でインボイスと言っても、いろいろな種類のインボイスが存在します。
今日は、貿易の現場で出てくるいろいろなインボイスについて書いていきたいと思います。
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プロフォーマインボイス(Proforma Invoice)
「見積送り状」や「仮送り状」と呼ばれ、通常、見積書と同じ役割を果たします。
英語で表記する際には、「P/I」と書かれることもあります。
また僕の実務経験上、「Pro-forma」や「Pro forma」と表現するネイティブもいます。
見積書としての位置づけになりますが、後述するコマーシャルインボイス(Commercial Invoice)が発行される前段階のプロフォーマインボイスに基づいて支払いを実行することもあります。
また、見積書としてはプロフォーマインボイス以外に「Quote」や「Quotation」という形式で書類を発行してくる相手もいます。
コマーシャルインボイス(Commercial Invoice)
「商業送り状」や「送り状」と呼ばれます。
通常は請求書としての役割がメインですが、納品書や出荷案内書としても用いられています。
一般的に、単にインボイスと言った場合には、このコマーシャルインボイスを指すことがほとんどです。
貨物の通関手続きのときに必ず必要になる重要書類です。
シッピングインボイス(Shipping Invoice)
「船積み送り状」と呼ばれています。
正式には積荷の代金請求書とされているようですが、実際的には納品書や出荷案内書としての役割に近く、パッキングリスト(Packing List)と同じようなものとして発行する会社もあるようです。(パッキングリストに関しての別記事はこちら)
カスタムズインボイス(Customs Invoice)
「税関送り状」と呼ばれています。
一部の国で海外から入ってくる物品に対して輸入通関時に必要となる、税関用のインボイスとなります。
カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの国で必要となってくるインボイスです。
通常は日本からこれらの国々へ物品を輸出する際に用意する書類になりますが、僕は実務上でオーストラリアとニュージーランドの会社から輸入したときに、このカスタムズインボイスが入っていたのを見たことがあります。
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タックスインボイス(Tax Invoice)
こちらのインボイスはあまり目にされた方はいないのではないかと思います。
現在取引きをしている相手先で1社だけ、オーストラリアの会社が発行してくるインボイスが毎回こちらのインボイスです。
日本で言うところの「領収書」に近いものになるようです。
コンシュラーインボイス(Consular Invoice)
「領事送り状」と呼ばれるインボイスです。
僕はこのインボイスを見たことはありませんが、アフリカや中南米の一部の国で使用されるインボイスです。
輸入国に駐在する売り主側の国の領事が、インボイスの内容をチェックするために使用されるインボイスだそうです。
まとめ
単にインボイスと言っても結構種類があるものですよね。
インボイスは国によって、そして会社によって発行される種類はさまざまです。
1つの取引先だけでプロフォーマインボイス、コマーシャルインボイス、シッピングインボイスと3種類のインボイスを発行してくる相手もいれば、コマーシャルインボイスだけという会社もあります。
いずれにしても、コマーシャルインボイスだけは絶対に入手するようにしておけば、実務上困ることはないと思います。
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