HSコードとは?輸出入統計品目番号ー輸入時関税の決め手となる

HSコードアイキャッチ

みなさんは「HSコード」という単語を耳にされたことはありますでしょうか?

貿易業務に関わっていると何かと出てくるこの単語ですが、本日はこの「HSコード」に関してお届けしていきたいと思います。

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「HSコード」とは?

HSコードは、英語で「Harmonized System Code」のことで、世界に存在しているありとあらゆる物品を、素材・材質や使用目的に応じて分類し、管理・運用されているもので、6桁の番号が付けられています。

この6桁のコードは世界共通となっています。

HSコードは別名、「タリフコード(Tariff Code)」とも呼ばれることがあり、国によっては物品の分類をさらに細分化するために、基本の6桁の数字に3~4桁を追加して運用しているところもあります。

世界中に存在するあらゆる物品を管理するために、世界税関機構(WCO)が1988年に発行したHS条約によって6桁のHSコードの運用がスタートしました。

この6桁のHSコードは、約5年おきに改定が行われており、最新のものは2017年1月1日に改定が行われています。

現在は国際貿易の98%を超える取引でHSコードが用いられており、世界の貿易活動には不可欠のものとなっています。

HSコードの利用目的

現在、世界中の貿易量・貿易額は膨大なものになっています。

世界全体の貿易額は、2013年と2014年に18兆ドル台を記録し、2015年と2016年には世界的な資源価格の下落などによって若干貿易額に減少が見られたものの、2017年の貿易額は対前年比で再び増額した統計数値が出てくることが確実視されています。

世界中の貿易額が高い水準を維持している背景には、各国の交通・輸送インフラの整備が進んでいることや、中国経済や東南アジア諸国における新興国の経済が急成長を遂げたことなどが原因としてあげられます。

各国の税関では日々、膨大な量の物品の通関業務を行っているわけですが、通関に際して、世界共通のHSコードがあることで、輸出入時の事前の段階で貨物の内容を把握することが可能となり、スムーズに通関業務を進められるようになっています。

また輸入時においては、HSコードごとに取り決めた関税率を適用し、円滑に課税を行うことができるようになっています。

日本でのHSコードの運用

日本ではHSコードのことを、「輸出入統計品目番号」と呼んだり、「関税番号」や「税番」と呼ばれることもあります。

世界共通の6桁に、日本では下に3桁を加えてさらに細かく分類を行い、合計9桁で管理されています。

HSコードについては、日本税関のウェブサイト上に、「輸入統計品目表(実行関税率表)」が掲載されているので、そちらから調べることができます。

(最新版は2018年1月1日時点のものとなっています)

あらゆる貿易対象品目を21の「部」に大分類することで管理が行われており、各物品ごとの関税率が決められています。

まとめ

僕自身が実際の業務でHSコードに触れる場面は、輸入した貨物が通関許可後にどのようなHSコードが関税の計算で使用されたのか確認したり、輸入した商品の日本国内での販売価格を決定するときに、HSコードと関税率を照らし合わせて参考にしたりしています。

HSコードの分類はかなり細かくなっていますので、なかなか理解するのが難しいかと思います。

何かわからないことがあった場合には、自分だけで判断するのではなく、知識が豊富な通関業者さんや通関士の方に確認されるのが一番確実な方法になってくるかと思います。

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