海上コンテナのサイズと種類ー物流システムを支える縁の下の力持ち

コンテナ種類アイキャッチ

今回は船便を利用した海上貿易において、物を運ぶときに無くてはならない存在である海上コンテナについてお話をしていきたいと思います。


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コンテナとは

コンテナとは内部に物を納めるための箱、容器のことを言います。

貿易時など、貨物輸送用に用いられるコンテナは非常に大型で、国際的な貨物一貫輸送システムを実現させるために、国際標準化機構(International Standardization Organization、I.S.O.)によって寸法や強度、外形などが規格化されたものが用いられています。

材質は主にアルミニウムかスチール製となります。

コンテナの種類

ドライコンテナ(DRY CONTAINER)

世の中に最も多く流通しているタイプで、一般的な貨物を輸送するために利用されます。

荷物の積み込みは扉面から行います。

特殊なコンテナ

冷凍コンテナ(REEFER CONTAINER)

肉・魚介類・野菜・フルーツといった生鮮食品の貨物を、冷凍または冷蔵状態で輸送する場合に利用されるコンテナです。

コンテナには冷凍ユニットが内蔵されており、一般的にプラス25℃からマイナス25℃の間で、一定の温度を保ちながら貨物を運ぶことができるのが特徴です。

オープントップコンテナ(OPEN TOP CONTAINER)

コンテナの屋根部分が取り外し可能なキャンバスとなっていて、天井部分がオープンになるので、通常のコンテナには入りきらないような背の高い物や、重量物を輸送するときに使われています。

屋根がないため、クレーンなどを使ってコンテナの上部から荷物を積み込むことができます。

フラットラックコンテナ(FLAT RACK CONTAINER)

コンテナの屋根、両側面、扉面がないタイプの特殊コンテナです。

コンテナの上部、そして左右両方から荷物を積み込めることと、重量物に対応できるように通常のコンテナよりも床部分の強度が高く作られているのが特徴です。

大型機械などの重量物や木材などの長尺物を輸送する際に活用されています。

フラットベッドコンテナ(FLAT BED CONTAINER)

フラットラックコンテナと同じように、通常のコンテナに積み込みができない大型貨物を輸送するときに用いられますが、コンテナの上部構造物が一切ない状態のコンテナになるので、イメージとしては板状の床部分のみのコンテナになります。

このタイプのコンテナは、他のコンテナを上に積み重ねることができないため、輸送運賃や保管料も他のコンテナに比べると割り増しとなります。

タンクコンテナ(TANK CONTAINER)

鋼製フレームの内側にタンクを格納したタイプの特殊コンテナです。

醤油や食料品、液体化学薬品などの液体状になった貨物を輸送するときに必要となってくるコンテナになります。


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コンテナのサイズ

海上輸送コンテナは一般的に20フィートと40フィートの2サイズとなっています。

40フィートコンテナには少し背が高くなった「High Cube(ハイキューブ)」と呼ばれるサイズもあります。

コンテナ外寸サイズ表

長さ(L)

幅(W)

高さ(H)

最大積荷重量

20フィート

6,058mm

2,438mm

2,591mm

21,780kg

40フィート

12,192mm

2,438mm

2,591mm

26,740kg

40フィート

ハイキューブ

12,192mm

2,438mm

2,896mm

26,560kg

 

日本では20フィートと40フィートがメインになりますが、アメリカではもっと大きな45フィートサイズが一般的です。

45フィートサイズのコンテナは、日本国内では特定区域をのぞいて一般道を運搬できないので流通していません。

コンテナのメリットとデメリット

コンテナのメリットとしては以下のものがあげられます。

・丈夫なので長年にわたって使用できる。素材がリサイクル可能なので環境にやさしい。

・輸送機関同士の積み替えが容易なので、作業の迅速化が可能となり、時間とコストを削減できる。

・コンテナ同士を積み重ねできるので、保管場所の節約が可能となる。

・貨物を内部に入れた状態で、屋外にコンテナを出したまま保管することができるので、屋根付きの倉庫が要らない。

デメリットとしてはコンテナ自体が非常に大型になるため、港に専用クレーンが必要になったり、陸上運搬には規格に適合したトレーラーが必要になるなど、コンテナを取り扱うための大掛かりな設備が必要となってくるところです。

まとめ

今回は貨物運搬に欠かせないコンテナのお話をさせていただきました。

近年では貨物の輸送だけではなく、倉庫として活用したり、さらにはコンテナで家を作るコンテナハウスなんてものまで登場していますよね。

最近はどんどん新しい輸送手段の需要も高まってきているようなので、今後また新しいタイプのコンテナが登場し、さらに色々なものが運べる時代に突入するのではないでしょうか。


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