昨日、海外の取引先から未払い残高があるという連絡を受け、「Balance Statement」という書類が添付で届きました。
海外の企業と取引きをしていると、たまに残高が残っているという連絡を受けることがあるかと思います。
今回は貿易業務における、残高についての話題を取り上げていきたいと思います。
いろいろな名称がある「残高明細」
通常、残高を英語で言うと「blance」を用います。
「blance」というと、「平衡、均衡」といった意味を思い浮かべることが多いと思いますが、「残高」という意味もあります。
残高にはこちらが多く払いすぎてしまった場合などに発生する「借方残高」と未払いなどが原因で不足金額が発生する「貸方残高」の2種類があります。
海外と取引きをしている中で何らかの理由で残高が発生した場合、残高が発生してから一定期間が経過すると相手側から残高があることを通知してきます。
ただ、通知してくるのはだいたい不足金が発生している貸方残高が残っている場合になるかと思います。
残高の連絡が届くときには、残高が載っている金額明細の書類を受け取りますが、この書類には結構いろいろな名称が使われています。
Statement
Balance Statement
Balance Due
Past Due
Past Due Invoice
会社によって使われる単語が異なってきます。
上2つは残高が借方、貸方どちらにあっても通用する単語ですが、下の3つは完全に「未払い残高明細」を意味する場合に送られてくるものですね。
残高が発生する理由
本来であれば、残高が発生しないのが双方にとってベストですが、取引きにおいては何らかのミスが発生したり、いろいろな行き違いが起きるものです。
自社側にミスがあった場合
単純に払い忘れや支払いが遅れるといった場合から、海外送金のときに、日本側で相手国側の海外送金受取手数料を差し引いて支払った場合には、後から手数料分を残高として請求してくる会社が結構多いです。
この手数料は金額にしてだいたい25ドル~30ドル程度になります。
僕の会社の経理担当者には毎回こちら側で手数料を負担するように伝えているのですが、なぜか勝手に手数料を差し引いてしまうため、多々取引先から後日請求されます。
相手側にミスがあった場合
先方側でも結構些細なミスでこちら側に残高が発生するようなことがあります。
その他のケースとしては、プロフォーマインボイスやインボイスに対して支払いを実行した後にオーダー品が出荷になり、その際にシッピングインボイスが別途発行された場合に、シッピングインボイス分が二重に請求されるといった事態もたまに発生します。
また日本では考えられないことですが、送料の請求もれや、こちらが支払った送料よりも実際にかかった送料が高かった場合に差額を後から請求してくることもあります。
残高に対する処理
こちら側に非があった場合にはしっかりと謝罪したうえですぐに支払うか、金額が少なかった場合には、不足金額分を次回のオーダーに上乗せして支払うことをお願いしています。
相手側に非があるような場合には、客観的な事実や理由を説明し、ちゃんと証拠を提示するようにしています。
証拠を出さないと、向こう側できちんと詳細を確認せずに再度未払い残高を支払うように請求してくることがありますので注意が必要です。
残高は絶対に放置しない
Balance Statement などの残高明細書には、不足金に対しては経過日数ごとに金利が発生することが明示されていることが多いです。
以前、僕の会社の別の担当者が長らく未払い残高を放置していて大変なことになっていました。
金利の情報などは書類の一番下の方に小さく記載されていますので注意が必要です。
まとめ
残高の連絡が届くと、過去の取引きをもう一度振り返らなければいけません。
忙しい時には面倒な作業になりますが、時間が経過しすぎると後から思い出して説明をしたり、こちらに非がない場合であっても相手を説得するのが困難になってしまうこともあるかと思います。
後で無駄な時間を使わずに済むように、残高の連絡が届いたらすぐにその場で処理してしまいましょう!
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