世界では、国際的な貿易が円滑に行えるように、様々な取り決めや取り組みを決めるための会議や会談が数多く開催されています。
今回は、日本の貿易活動にも大きな影響を与える、「APEC」に焦点を当ててみたいと思います。
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APECとは?
APECは「Asia-Pacific Economic Cooperation」の略で、日本での正式名称は「アジア太平洋経済協力」となります。
アジアを中心とし、太平洋に面している21の国と地域が参加している経済協力の枠組みです。
APECの参加国と地域を合わせると、その経済規模は世界全体のGDPの約6割、世界全体の貿易量の約5割、人口に関しては世界人口の約4割を占めている巨大な経済圏となっています。
APECの目的
APECでは、世界の貿易の中心として、アジア太平洋地域の持続可能な経済成長と繁栄を目指し、貿易や投資の自由化、さまざまな経済・技術協力、ビジネスの円滑化などを推進していくことを目的としています。
APECの21の参加国・地域
アメリカ、インドネシア、オーストラリア、カナダ、シンガポール、タイ、韓国、ブルネイ、ニュージーランド、フィリピン、マレーシア、日本、台湾、中国、香港、メキシコ、パプアニューギニア、チリ、ペルー、ロシア、ベトナム
APEC設立の背景
1980年代の後半に、ヨーロッパや北米での市場統合へ向けた動きが活発化する中で、1989年にオーストラリアのホーク首相がアジア太平洋地域においても、経済の連携や協力の必要性を説き、会合の設立を提唱しました。
この動きを受けて、初めてのAPEC閣僚会議がオーストラリアのキャンベラで開催されました。
最初の参加国は日本を含めた12か国だけでしたが、徐々に参加国や地域が増えていき、現在は21の国と地域が参加するまでになりました。
APECの特徴とビジネス界との結びつき
APECでは参加国・参加地域を法的に拘束することがない、緩やかな各政府間の協力の枠組みとなっており、各参加国・参加地域の自発的な行動によって取り組みを推進していくことが特徴となっています。
また、APECではビジネス界との結びつき・連携が強いことも特徴の1つになります。
APECには、APECビジネス諮問委員会(ABAC:APEC Business Advisory Council)と呼ばれるAPEC唯一の公式民間諮問機関があります。
ABACは、APECの参加国・参加地域の首脳によって3名を超えない範囲で指名される、ビジネス界を代表する民間の委員で構成されています。
指名を受けた各委員は、各国・地域の首脳や閣僚にさまざまな助言や提言を行っており、民間のビジネスの現場における要望などを伝えることが可能なので、実際の取り組みに現場の声を活かしていくことができます。
日本のABAC委員
日本からは、三菱重工業の大宮英明取締役会長と三井物産の髙橋規顧問、みずほ銀行の林信秀取締役会長の3名の方々が委員を務められています。
まとめ
APECについていかがでしたでしょうか。
ビジネス界の声まで活かされているなんて意外ではないでしょうか。
ちなみにAPECは2017年は、ベトナムのダナンで開催され、018年はパプアニューギニアのポートモレスビーで開催される予定になっています。
今年はどんな取り組みについて話し合われるのか楽しみですね。
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