フィリピンの脱ストロー、脱プラスチックごみの動きに見る海洋汚染対策

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最近、世界中でプラスチックごみを減らす動きが活発になっており、スターバックスでは今後プラスチック製のストローを使用しないことが話題になりました。

また、世界でリサイクルされずに捨てられたプラスチックごみが海に流れて出て、海洋汚染が深刻化しています。

プラスチックごみを多く排出しているのは中国をはじめアジアの5か国だと言われていますが、先日その5か国のうちの1つに入っているフィリピンを訪れた際に、日本よりも脱プラスチックの動きで先行しているのではないかと感じました。

今回は今世界的に社会問題化している、プラスチックごみの問題とフィリピンで目の当たりにした脱プラスチックへの取り組みについて取り上げてみたいと思います。

 

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なぜプラスチックごみが海洋汚染につながるのか?

プラスチックごみは世界中で毎日大量に排出されていますが、リサイクルが進んでいないのが現状です。

プラスチックは軽量なため、ポイ捨てされたり、ごみ回収の際に風で飛ばされるなど遠くに運ばれやすいという性質を持っています。
またプラスチックは自然分解されないので、半永久的に残ってしまいます。

きちんと回収されなかったプラスチックごみは最終的に海に行き着くケースが非常に多く、海洋生物に深刻な影響を及ぼしています。

プラスチックごみが海洋生物に与えた問題として、プラスチック製のストローが鼻に刺さったウミガメが保護された動画が世界に衝撃を与えました。

マイクロプラスチックが問題を深刻化させる

プラスチックごみは漂流して運ばれる際に様々なものと接触し、紫外線で劣化する過程で、5mm以下のマイクロプラスチックという小さな物質が出ます。

また海水には、低濃度ではありますが、工業用の農薬や潤滑油といった化学汚染物質が含まれています。
この汚染物質はプラスチックに吸着しやすい性質があるため、汚染物質を吸着したマイクロプラスチックを魚が食べ、その魚を人間が食べてしまうという恐ろしい実態があるのです。

人間は自ら出したプラスチックごみによって、自らの体を危険にさらしている可能性があるのです。

アジア5か国が世界のプラスチックごみの半分以上を排出

世界で出されるプラスチックごみの多くはアジアの国が排出していると言われています。

中国、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムの5か国だけで、世界のプラスチックごみの6割以上を占めています。

僕は先日、この5か国のうちの1つであるフィリピンに行ってきました。

プラスチックごみの発生源という汚名を着せられているフィリピンですが、すでにフィリピンではプラスチックごみの削減に向けた取り組みが始まっています。

 

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フィリピンで目の当たりにした脱プラスチックごみの取り組み

脱プラスチックストロー・紙ストロー

プラスチックごみ削減の話が出ると必ず一緒に語られるのが、脱プラスチックストローと紙ストローの話題です。

スタバではプラスチックストローを今後使用しないというのがニュースになりましたが、フィリピンではスタバに限らず、すでにどこの飲食店でも脱プラスチックストローの取り組みが徹底されています。

僕がフィリピンのスタバを利用した際には、すでに紙ストローが使われていました。

ファストフード店でも紙ストローが利用されています。

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フィリピン人のソウルフードと呼ばれるジョリビーでは、プラスチックストローはもちろんのこと、紙ストローさえ置いてありません。

マクドナルドでも紙ストローの提供はなく、コップから直接飲むスタイルです。

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ファストフード店以外の普通のレストランでは、「環境への取り組みを支援するため要望された場合のみストローを提供します」というアナウンスを行うプレートが置いてありました。

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日本のレストランなどでは、まだ紙ストローのコストが高いためにまだ導入が進んでいないのが現状ではないでしょうか。

Amazonではプラスチックストローが1本あたり1円で売られているのに対し、紙ストローは1本あたり4円となっています。


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コンビニでは使い捨てスプーンの提供はなし

僕がマニラのコンビニでヨーグルトを買ったときの話ですが、会計時にレジでスプーンをお願いしました。

以前だったらプラスチック製のスプーンをくれたのですが、今はプラスチック製スプーンの提供はしていないとのこと。

イートイン用のステンレス製スプーンがあるから店内で食べていって欲しいと言われました。

小さな取り組みかもしれませんが、自分が環境に対して配慮が足りていないなと気づかされた場面でした。

脱レジ袋、紙袋へのシフト

カジュアル衣料のH&Mジャパンでは、プラスチック製のレジ袋を紙袋に替え、有料にすることを発表しました。

すでにフィリピンではコンビニやショッピングモールなどのお店では、プラスチック製のレジ袋は使われておらず、どこも紙袋で購入した物を手渡されます。

極力プラスチック製のものを出さない取り組みが浸透していると言えるのではないでしょうか。

まとめ

フィリピンは大量のプラスチックごみを出している国の1つとして批判を受けていますが、プラスチックごみ削減に向けた取り組みは日本よりも先行している印象を受けました。

プラスチックごみが出ないように、まずは供給源を絶つという方法は原始的ではありますが、最初に取り組むべきことなのかもしれませんね。

今回はこのブログの路線とはちょっとかけ離れた話題になってしまいましたが、フィリピンでの取り組みに非常に考えさせられたので、あえて取り上げてみました。

僕はフィリピンから帰国後、日本の飲食店でプラスチックストローを出されても使わないようにしています。

もしもこの記事が一人でも多くの方の意識を変えるきっかけになってくれれば幸いです。

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