日本より英語力は上?韓国英語事情 財閥・フィリピンとのつながり

韓国英語事情アイキャッチ

先日、出張でフィリピンに行ってきました。

首都マニラに行ったのですが、あることに気が付きました。

韓国料理屋さんが多い、ということです。

そして、街中を歩いている韓国人の数も多いことに気が付きました。

韓国人が話している英語を注意して聞いてみましたが、スピーキングもみなさん上手です。

「これはもしかして、日本人は韓国人よりもはるかに英語で遅れをとっているのではないか」と気になったので、いろいろと調べてみました。

今回はお隣の国、韓国における英語事情についてお話していきたいと思います。


スポンサーリンク



 

TOEICに見る韓国の英語力

以前書いた記事、『TOEICスコア 国・地域別ランキングから見えてきたこと 日本41位』の中で、世界におけるTOEIC平均スコアランキングが、日本41位(516点)に対して韓国19位(679点)ということをお伝えいたしました。

順位、平均スコアともに日本とは大きな開きがあるのはなぜか、これには韓国での英語教育制度と、韓国独特の経済構造に関わりがあるようです。

韓国の英語教育

韓国では金泳三(キム・ヨンサム)大統領政権時代の1997年に英語学習開始の低学年化が実施され、小学校3年生から週2回の英語学習が必修となりました。

1997年という年はアジア通貨危機が発生した年でもあります。

韓国経済も大きな打撃を受け、韓国国内の経済状況が厳しくなったため、子を持つ親たちは、自分たちの子供たちが将来海外でも活躍できるようにと英語を学ばせようとする気運が高まりました。

韓国の小学校での英語の授業は、日本で音楽や家庭科の授業を行う際に特別教室を利用するように、英語の授業で特別教室を利用するそうです。

そして日本の中学校で行われているような、英文法を学び、単語を覚えるような丸暗記型の授業ではなく、コミュニケーションを重視したスタイルの英語授業を行っています。

日本よりもはるかに早い段階でコミュニケーション重視の英語教育に舵を切った政策が、TOEIC平均スコアの差を生み出す一因になっているようですね。

韓国経済を独占する財閥が若者の人生をも左右する

韓国といえば財閥で有名な国です。

韓国では財閥系の企業が、韓国の年間GDP(国内総生産)の実に約75%を稼ぎ出すという独特の経済構造になっています。

そのため、多くの人が財閥系の企業に入りたがるため、必然的に日本以上の学歴社会となっています。

当然、みんな有名大学に入ろうとして必死で勉強しますし、親も自分の子供に勉強をさせようとします。

韓国人の人生がかかっている大学修学能力試験

韓国の大学入試で有名なのが、「大学修学能力試験」です。

韓国の警察が試験に遅れそうな学生を、パトカーで試験会場に送り届ける光景をテレビなどでご覧になったことはありませんか?

日本におけるセンター試験のようなものですが、韓国のほとんどの大学でその試験結果が合否に大きく関わってくるため、韓国の学生はみんな自分の将来と人生をかけて試験に臨むようです。

この試験でも大きなウェイトを占めるのが英語の科目になるので、韓国人はみんな必死で英語を勉強します。


スポンサーリンク



就職するときに問われるTOEICスコア

先ほど述べたように、韓国では経済を牛耳っているのは財閥系となるため、韓国の大学生の多くは財閥系の企業に就職しようとします。

韓国の財閥系企業は世界のマーケットを主戦場にしている企業ばかりです。

そのため、学生には海外に出ても仕事をこなすために最低限必要な英語力が求められます。

韓国の財閥系企業は、就職希望者に高いレベルのTOEICスコアを求め、800点以上を取っていないと、履歴書さえ目を通してもらえないという企業もあるようです。

また、従来はTOEICテストでもListening & Readingの結果が求められていましたが、近年ではSpeaking & Writingの結果も必要とされる企業が出てきています。

韓国でのTOEIC Speaking & Writing テストの受験者数は、日本の10倍にも上ります。

韓国では、就職して働き口を得るため、お金を稼ぐためにTOEICテストが重視され、英語自体が人生を決めるといっても過言ではないほど重要となっているのです。

韓国とフィリピンとの関わり

ここまでご紹介してきた通り、韓国では日本以上に英語熱が高い国であると言えます。

そのため、韓国ではまだ子供のうちから英会話を身につけさせようとする親が多く、子供のうちからオンライン英会話を利用しています。

日本でも最近のオンライン英会話で主流となっているのが人件費が安く、英語が公用語となっているフィリピン。

韓国でもフィリピンにあるオンライン英会話スクールとスカイプを使って授業を受けるスタイルが当たり前になっています。

そして韓国ではフィリピンのセブ島へ語学留学する人数が非常に多くなっており、セブ島では韓国資本で経営されている語学学校がたくさんあります。

英語が原因で韓国人の恋愛事情・結婚事情までを変えてしまった?

韓国では財閥系の企業に就職できないと、結婚にまで関わってくることもあるようです。

韓国人女性は、財閥系企業に勤める男性との結婚を望む人が多く、財閥系の企業に就職できなかった男性は結婚相手を探すのにも苦労するケースが多いのです。

そこで近年は、韓国人男性がフィリピンに語学留学に行き、そこで知り合ったフィリピン人女性と交際に発展し、その後結婚するケースが増えています。

まとめ

今回は韓国での英語にまつわるお話をさせていただきましたが、韓国独自の事情から人がフィリピンに流れているために、僕が出張に行ったときに韓国人の方を多く見かけたのだと気が付きました。

日本でもまもなく、小学校3年生からの英語学習がスタートします。

韓国のような極端なケースになってしまっては残念ですが、日本人全体の英語力が底上げされるといいですよね。


スポンサーリンク